11月2021

  • 2021年度鉄筋コース(第8期)

リモート教室の放課後

妙な縁で、リモート教育というものに携わって1年余り。 最初はがむしゃらに対面教育をなんとか再現しようと試行錯誤し、あるモノはできずに諦めたり、またあるモノは対面にない良さがあったり、よくもわるくも新たな発見がありました。

その中で、学校というものの中で、「こんなに大切なモノだったのか」と今頃思い知らされたのが、「放課後」の存在です。

なにをしているわけでもない、「居なければならない時間」を終えてもなお居る、ホッとしたようでいて不安定な時間。

これがオンラインのバーチャルな教室ではなかなか再現できません。

「そんなもの、再現する必要ないじゃん?」  ・・・・・そうですね、ただ講義が終われば「じゃまた明日ー!」とブチっとzoomの赤ボタンを押して退室していいのかも知れません。 その方がいい場合ももちろんあるでしょう。

でも、それだけでは「何かさびしい」。 石沢校長が今回の入校式の式辞の中で述べていた「雑談ができる」環境というのもおそらく同じ思いで出たものと思います。 この感覚は年齢によらず共有しうるものなのでしょうか?

「さあ、ここから30分が放課後だよー!」なんて宣言するのもヘンです。 zoomでできる操作なんて限られます。 これが一番近いだろうと思い、担任の自分が午後5時にできたことは、

「ホストを訓練生の一人に委譲して(=戸閉まりだけ頼んで)、自分は退出すること」

でした。 「場をつくる立場」にありながら、「その場に関与するのがそもそも間違い」なわけですから最初から矛盾しているのです。

どうなるかわかりませんが、今後訓練校のリモート教室の最後はそうやって閉めようと思います。

 

 

 

  • 2021年度鉄筋コース(第8期)

11月4日(木) 訓練10日目

朝聞くと、昨日はみんな応援で現場仕事に行っていたんだとか。 対面訓練だと基本入寮するのでそれも難しいですが、長期間の訓練ではそうやって期間中訓練に没入するのがいいのか? それともたまにいつもの環境に戻りつ行きつ訓練に参加するのがいいのか? ふと考えることがあります。

私と歳の近い世代の事業主さんだと、よく「寮の集団生活に入れて鍛えてやってください」と頼まれることもあります。 いろいろな環境に適応することは重要なことだと私も思います。 放り込まれた集団生活でみんなと折り合いをつけながらやっていくことは決して簡単な事ではありません。

しかし今は、コロナ禍によってコミュニケーションが足枷だらけ。 この中でできる範囲で折り合うことがずっと難しいことなのではないでしょうか? ですからせめて今は誰が来ても安心して教育を受けられる環境を提供することが肝要だと考えています。

 

さて今日の午前中は、大林組東日本ロボティクスセンターの髙松講師が、同じ県内の川越の同センターからリモートで「移動式クレーンによる揚重計画のポイント」についての講義です。  

昨年の鉄筋コースは、当校ではリモート併用の初回。 講師の方はみなさん八潮訓練校に来ていただいての「訓練生のみリモート」だったのですが、髙松講師のこの講義だけが初回から「講師もリモート登壇」でした。 

今思えば何ということはないのですが、今年こうして横で講義を訓練生といっしょに聴きながら、「ああ、これって純粋に我々は『教える者と教わる者を結びつけている役なんだな』ということを実感しました。

鉄筋は躯体三役の中でも最も重いモノを吊るので、クレーンの選定を間違えると致命的な段取りミス、最悪は災害にもつながるためみな真剣な表情で講義と演習問題に取り組んでいました。

 

午後は作図実習の3日目。 まだCADを習ってから1週間しか経っていませんが、かなりの作画スピードに達しています。 CADにはスピード違反はありませんから見ていて気持ちがいいですが、精度の低下には気を付けないといけません。 

予定では今日から2枚面の図面にかかるぐらいのペースでやらないと最後まで進めないので、随時判定ラインまで作画が到達したらbox上に図面をアップロードして講師に添削してもらいます。 ある程度ダメ出しがあったのち、次の図面に書き進むというやり方で一歩一歩進んでいきます。

これが、リモート講師でも見られる一人一人が制作中の画面

 

さて午後は鉄筋納まり図、今日あたりから2枚目の図面に進まないと遅れをとってしまうことになりますが、毎日box上にアップロードした図面を添削している大山講師によればまあいい線いっていると。 1週間前はやっとこCAD仮免許状態でしたがもうかなりのスピードで作画も要領がよくなっています。 毎朝やっている「大山ナビ」も効果があったようです。

 

 

  • 2021年度鉄筋コース(第8期)

11月2日(火)訓練9日目

今日は午前中は鵜飼講師の2日目講義「建築関連法令」、午後は大林組構造設計部の平柳部長による「設計図の見るポイント」です。

建築関係法令は多岐にわたるので、4時間でとてもすべてを網羅することはできませんが、日常の鉄筋工の現場業務を舞台とした場合、「法令ではどうなっている?」という場面に出くわすことは少なくありません。 鵜飼講師の講義は、そういった話題から始めて本題に講義をリードするスタイルです。

午後の「設計図を見るポイント」は、過去に専門講師や、継続して訓練生を派遣していただいている会社からちらほら、自社の聴講したいという申し入れがあり、席に余裕があれば(当時は対面講義でしたので)お受けしていました。

これが昨年、リモート講義になったことから広く林友会会員各社にも公開講座として聴講を募集し、林友会全体として鉄筋工事に関する知識を深める一助にしていただくことにしました。

訓練校公式(?)フライヤーがこちら



今年は全国17社(富山・栃木・徳島・大阪・宮城・東京・福島・広島)から60名の聴講申込がありました。 昨年の倍以上になります。
みなさんやはりこの1年のコロナ対応もあってリモート慣れしているのか、チェックインも非常にスムーズに済みました。

ネット負荷を上げないよう、聴講中はカメラをOFFにしていただきましたがそれでも50数名居るとギャラリービューは壮観です。

平柳講師も、やはり自分の構造設計を実現してくれる立場である、多くの鉄筋工の人達に聴講してもらっているのは特別の意味があるのでしょう。 最後まで熱の入った講義をしていただき、質問にもその都度丁寧に答えていただきました。

今日のところはほぼ顔無しでスクショ